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Fit カスタム・ボルトオンターボ

GT-Rからフィット・ターボへチェンジ 堀靖弘さん(佐賀県)


今回は、弊社の得意技でもある「カスタム・ボルトオンターボ」を楽しんでいただいているユーザーさんの紹介です。
ボルトオンターボというと、キット装着の簡易イメージがありますが、弊社では「キットが存在しない車種やメーカー」や「キットでは到達できない仕様」にも対応できます。

弊社の場合、元々「ワンオフ」でのボルトオンターボによるターボ化を得意としているため、ユーザーさんの希望やご予算にあわせ、さまざまなアプローチでのターボ化が可能です。


ちなみに、「ボルトオンターボ」とは、一般的には、エンジン内部のパーツを交換しないまま、ターボを組むことを指します。ターボ化に対応していないピストンなどをそのまま使うため、エンジン内部のパーツを買ったり交換する必要が無いぶん、コストが抑えられます。

一方、圧縮比が高いままで、やや低めのブーストをかけることになりますので、効率を求めたタービンの選択やパイピングの工夫、そして独特のセッティングが肝となります。
特に最近のクルマは排ガス対策でコンピューターが賢くなっていますので、年々高度なセッティングが要求されるようになりました。
ワンオフで作るボルトオンターボは、そういった独自の小さなノウハウの結晶といえるかも知れません。


スーツのように、あなたの愛車だけのために仕上げるカスタムオーダーによるボルトオンターボ。お気軽にご相談ください。


ファイル 9-2.jpg堀さんはR33スカイラインGT-Rに乗っていたチューニングカー大好きなユーザーさんだ。エンジンはHKS T04Zタービンを組み込んだ600馬力仕様。街乗り+αで乗るには十分過ぎるパワーを誇るハイパワーマシンだけど、それなりに維持費も大きい。しかも最近はガソリンが高騰してきた。維持費を抑えつつチューニングカーライフを楽しむ方法が無いものか――。

ある日、相談を兼ねてHKS九州サービスに向かう途中、堀さんのGT-Rにトラブルが発生した。ミッションとデフ…症状は重く、換装が必要だと判明。またまた維持費が加算される…。

修理か、乗換えか…堀さんはHKS九州との相談を重ねた挙句、同社のデモカーであるフィット・ターボへの乗換えを決意。これなら低燃費だし、デモカーゆえにチューニングパーツは最初からてんこ盛り。しかも年式が新しいのでトラブルも起きにくい。そして、魅惑のターボ装着車だ。これは十分楽しめるハズ。堀さんの新たなチューニングカーライフがスタートした。

ファイル 9-1.jpgこのフィットターボは最大ブースト0.8kg/cm²時に最大出力約180馬力以上を発生している。エンジンには一切手を加えずにターボ化を実現するボルトオンターボ。通常はここまでハイブーストなものは珍しいが、このフィットではF-CON V Proによる緻密なセッティングと前置インタークーラーによるノッキング防止策が、それを実現しているようだ。

ファイル 9-3.jpg実際、堀さんの熱い走りにより、純正インジェクターの容量が足りなくなってしまい、購入後に大容量インジェクターと強化燃料ポンプが追加されている。フィットのボルトオンターボとしては、ひとつの究極形と言えるのかもしれない。なお、通常走行時はブーストを0.6kg/cm²としている。ここ一発のスクランブルブーストで 0.8kg/cm²。ボディの軽さと相まって、アグレッシブな走りを実現している。


ファイル 9-8.jpg堀さんはこのフィットでワインディング走行をも楽しんでいるそうで、ボルトオンターボの楽しさを存分に味わっている。

チューニング済みのコンプリートカーとして購入したため、足回りを含めて一通りのパーツが装着されていて、走りに関して堀さん自身で手を入れたのは車高の調整程度。「次はブレーキを強化したいですね。デモカー時には大きなキャリパーとローターが装着されていましたが、今考えると、ブレーキも含めて買っておくべきでした」と、かなり本気で走りを追求しているようだ。

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ファイル 9-4.jpg室内にはブースト計と排気温計、そしてF-CON V pro、F-CON NAVIGATOR が並び、チューニングカーらしさを漂わせている。0.8kg/cm²という(エンジン内をノーマルのままでのボルトオンターボとしては)ハイブーストを実現・管理すべく、F-CON V Proのマネジメント能力が大きな力を発揮している。スクランブルブースト時に操作しやすいよう、EVC(ブーストコントローラー)の配置にも気を使っている。

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堀さんは購入時のスタイルを維持しつつ、さらに自分流のモディファイを進めている。グリルやリアゲートのHKSロゴは自分で装着。チューニングカーというだけでなく、コンプリートであるコトをも意識させてくれる。もちろん見た目だけではなく、前述の通りブレーキ強化など、走りにこだわって手を入れていく予定だ。
ちなみに左前輪タイヤハウス内のメッシュ加工は、オイルクーラー冷却用アウトレットである。


走りと同時に、堀さんは快適な車内作りも進めている。現在、オーディオ関係に着手中で、今後はラゲッジルームのウーファーボックスやアンプの装着を整える予定。走りと快適性を両立するチューニングカーライフは、フィットならではのアプローチと言える。

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そして、GT-R時に懸念していた維持費の問題。このフィットでは堀さんのドライブにより、街乗りで 13.5km/L、高速走行で17km/L程度という数字が出ている。もちろんスカイラインから比べると遥かに優れた燃費で、維持費を節約しながらも、コンパクトカーベースならではの走りの楽しさ、そしてターボ化の楽しさも体験できる。チューニングカーライフのまた別の楽しさを味わっている…それが堀さんの現在と言えそうだ。